国立新美術館『ダリ展』 感想

遅ればせながらダリ展に行ってきました。

ダリ展|企画展|展示会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

 

ダリといえばシュルレアリスムですね。

結構前に『マグリット展』に行ってその時にシュルレアリスムに若干はまってたので、ウキウキしながら行きました。

学校終わって閉館1時間前にギリギリで飛び込んだのですが、人が少なくて意外とよかったです。

 

会場入ってすぐはダリの模索が見られる絵画が展示してありました。

ダリと言われれるとあの変なヒゲを生やした変人というイメージで、天才肌なのかと思っていたのですが、実は生真面目で勤勉に絵画を勉強しんだなぁと、とその痕跡が見られてニヤニヤしちゃいました。

モネなどの印象派ピカソなどのキュビスム的な絵がありました。

うーん悪くない。

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美術館の展示様式として「ホワイトキューブ」というのがあって、芸術作品を掛ける壁の色を白にすることによって中立性を保つ、というのか、全てを包括できる、というのか、、

とりあえずそういうのがあるんだけど、このダリ展はダリの画風の変化によって壁の色を変えていたのが素晴らしかった。

ダリのシュルレアリスム初期期は濃い朱色、アメリカに渡った時はクリーム色、映画の部屋は紺色、日本の原爆に影響を受けて科学に興味を持った原子力時代は青、などと、それぞれがそれぞれの絵画とぴったりですごくすごく良かった。

シュルレアリスムの濃い朱色は「そうくるかぁ」と感動に胸を打たれた。

あの絵画たちにあの色は最高だった〜〜〜〜

 

私は彼のシュルレアリスムの赤い部屋の作品と、原子力時代の作品が好きでした。

 

この展示でよく考えられてるなぁと思ったのが、だんだんキッチュになっていくダリの変遷を見られること。

どんなに絵に興味のない人でも、きっとダリっていう名前は聞いたことあるだろうし、あの特徴的なヒゲを生やした顔を知っていると思う。

ダリは「ダリ」というブランドを作り上げていって、つまりは商業に魂を売った、大衆受けするものに寄っていったというのがこの知名度の高さにつながっています。

舞台の衣装を作ってみたり、帽子を作ってみたり、映画を作ってみたり、アクセサリーを作ってみたり、chanelとかDiorみたいな感じで「Dali」なんですよねぇ。

当然そのようなあり方は批判されたりもするんですが、俗に染まりきった絵も私は嫌いじゃないです。

この俗に突き抜けていく感じは、岡本太郎に通ずるものがあるらしいですが、岡本太郎が世間に衝撃を与えていた時代に生きていないのでよく分かりません…

 

とりあえず彼は「創造」という才能に溢れすぎて俗にまで達してしまった愛すべき人のような気がします。

 

ガラのようなfemme fataleに出会ってしまったのも、また彼の魅力を増しているよなぁと思いますね。